医療法人敬愛会グループ/ザ ナチュラルビューティクリニック・
ビューティークリニック ザ ギンザ・はもり皮フ科

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エクソソームの活用について(がんにもエクソソーム治療は効果的なのか?)

ここ数年、エクソソーム治療が色々な意味で注目を集めています。

エクソソームは幹細胞培養上清液から抽出されるとても小さな物質なのですが、この物質が「細胞間の情報伝達」という役割を担っている点が非常に重要なポイントです。

情報伝達の役割を担っているエクソソームが体内で増加すると、細胞間での情報のやり取りが盛んに行われるようになり、細胞活性化に伴って血管再生、創傷治癒、皮膚再生、各種疾病改善、抗炎症、疲労回復、老化抑制といった様々な効果が期待できるようになります。

つまりエクソソームは、「いつまでも元気で健康な身体でいるためのベースとなる物質」になりうるといっても過言ではないかもしれません。
そのような背景もあり、現在の日本の長寿社会を支える「希望の星」として、エクソソームは美容医療に限らず様々な臨床現場で研究が進んでいます。

 

エクソソームをどんな方法で摂取するかで効果が違います

エクソソーム治療には、注入や点滴、点鼻など色々な形で体内に取り込むことができるので、目的にあわせて施術をお選びいただくのがよいと考えております。

 

エクソソーム注入


【美肌&若返り(美容医療)】
・美肌効果(ハリ・ツヤアップ、保湿、キメ感アップなど)
・老化改善(しわ・たるみ・しみなど)
・肌トラブル改善(ニキビ、アトピーなど)

 

美肌や若返りなど、美容医療に関連する効果をお求めの際には、エクソソーム注入(注射)がオススメです。
肌トラブルやしみ・しわなどの肌老化が気になる箇所の細胞にダイレクトにエクソソームを注入することで、細胞活性化・皮膚再生・抗炎症などの作用によって美肌・若返り効果が期待できます。「注入術は痛みが不安…」という際には、無痛で肌深層に有効成分を届けることができるプラズマシャワーなどによる導入治療で対応することも可能ですよ。

 

エクソソーム点滴


【病気予防&健康(予防医療)】
・免疫力アップ
・不眠症や慢性疲労
・肝炎、肝疾患
・糖尿病
・歯周病
・骨粗しょう症、関節疾患など

 

エクソソームを直接血管内に投与する施術法です。血管内に入ったエクソソームは、血管に流されて全身くまなく行き渡ることになるので、「目元のしわが気になる」などのピンポイントのお悩みというよりも、「全身」に及ぶような症状改善に効果的です。

 

エクソソーム点滴はがんにも効果的なの?

…という中で、実は最近問い合わせが増えているのが、

「エクソソーム点滴はがん(悪性腫瘍)を治すこともできますか?」

というものです。

 

実はがん(悪性腫瘍)の転移にはエクソソームが深く関わっています。

冒頭でエクソソームは「細胞間の情報伝達」であり「細胞を活性化する働き」があるとお伝えしました。

ゆえに、良い情報を体内に運んでくれる分には健康や美容にとってプラスになる物質ではあるのですが、逆に悪い情報を運んでしまった場合は、逆に正常な細胞を癌化させてしまう可能性があるのです。他の病気と異なり、がん(悪性腫瘍)は自己増殖したり転移するという特異な性質を持っています。そのため、情報伝達物質であるエクソソームを体内に取り込むことは、がんが改善する可能性もあるものの、逆に悪化させてしまうことがあるため、当院では悪性腫瘍の可能性がある方については、エクソソーム治療は一切行っておりません。

 

でも、巷ではがんへのエクソソーム治療を行っているところもあるのでは?

医療機関の中にはがん(悪性腫瘍)治療としてエクソソームのような物質による治療法の研究を行っているところもありますので、「それって本当なの?」と思われた方もおられるかもしれません。

ここが少しわかりにくい部分かもしれませんが、がん(悪性腫瘍)治療として活用する際には、がん細胞を活性化させてしまう可能性を秘めているエクソソームではなく、エクソソームよりも細胞に対する効果の範囲がより限定された「サイトカイン」という物質の単位で治療を行う場合は、がん(悪性腫瘍)の治療に有効です。

サイトカインは免疫細胞から分泌されるタンパク質のことで、体内に取り込むことで、リンパ球などの免疫細胞の活動を活性化する作用、もしくは免疫細胞の活動を抑制する作用のいずれかがあります。

がん細胞の活動を抑制する際には「免疫細胞を活性化する」ことがポイントになるため、がん治療としてサイトカイン治療を行う際には、免疫細胞を活性化させるものを使用します。

Cytokines are produced by macrophages, lymphocytes, mast cells, endothelial cells and fibroblasts. Cytokines include chemokines, interferons, interleukins, lymphokines, and tumour necrosis factors, but not hormones or growth factors

 

似ているけど全く違う!サイトカイン療法とエクソソーム療法

「プラスにもマイナスにも働くなら、サイトカインもエクソソーム同様に危ないのでは?」

と思われた方、なかなか鋭い指摘です!!

この点におけるサイトカインとエクソソームの違いは、サイトカインは「免疫活性化」「免疫抑制」の2タイプのうちどちらに分類されるのかが明確化されているところにあります。

つまり、数あるサイトカインの中でも「このサイトカインを使えば、がんを抑えられる」ということが事前にはっきりしているということですね。

がん治療として実際に使用されているサイトカインには、インターロイキンやインターフェロンといったものがありますが、これらはNK細胞やT細胞、マクロファージといった免疫細胞を増殖+活性化させることがはっきりしているため、がん治療としても活用されているのです。

なお、サイトカイン療法は美容医療分野においても活用されています。

たとえばACRS注入療法(自己血サイトカインリッチ血清注入療法)というもので、この治療では、数あるサイトカインの中でも美肌や若返りに有効な「抗炎症性サイトカイン」(肌の老化や肌トラブルを抑える作用のある物質)を活性化させる形で施術を行います。このようにサイトカインの場合は、「目的に応じた物質」を具体的に選択して治療を行える点が特徴です。
当院で行っているACRS注入療法の詳細はこちらです

 

まだまだ発展途上なエクソソーム治療

エクソソームはまだまだその実態が100%解明されていないこともあり、上で述べたような「プラス」「マイナス」のどちらにも転んでしまう可能性がある症状に対しての使用は現段階では絶対避けるべきであると個人的には考えています。

医療機関や医師がエクソソームの作用や働きをしっかりと理解した上で、自費診療として患者様にご納得いただいた上で施術を行う分には問題ないのですが、中途半端な知識で治療を行うことはリスクが大変大きいですし、そのような行為は医師として絶対に避けるべきです。

昨年、がん患者さんに対してモニターとしてエクソソーム投与を行った美容関連の医療機関があるというのを最近になって業者さんから聞きましたが、生半可な知識でこのようなことを行うのは、あくまで個人的な一意見とはなってしまいますが、医療機関としてあるまじき行為ではないかと考えています。

 

当院では第三者機関から安全性が認可された製剤を使用しています

エクソソームを使用した製品は現在、化粧品やコスメ、サプリメントなど様々なものが世の中に存在していますが、医療機関で点滴や注入術として使用するエクソソーム製剤は、これらの市販されているエクソソームとは品質、安全性、濃度などいずれにおいても、その内容は一線を画すものになっています。

ただし上にも記載した通り、ヒト幹細胞培養上清液を活用した医療は研究開発が現在進行形で行われている新しい分野の施術ということもあり、残念ながら明確なルールを規制した法律が存在していないのが現状です。そのため当院では自主ルールに基づき最大限の安全性と品質管理を行っている高品質の製剤を厳選して使用しています。

 

日本国内で製造された製剤を使用

・身元確認済の日本人ドナーから採取された幹細胞のみを使用
・複数の血液検査で各種感染症の罹患歴がないものを使用
・製造化までの各種工程(培養・製造など)も全て「日本国内」

 

徹底的に安全管理が行われている製剤を使用

・製造工程では、ウイルス検査、マイコプラズマ試験、コロナウイルス検査、微生物検査、エンドトキシン(発熱物質)検査を実施
・専門機関である臨床培養上清安全性審査委員会A評価を得た製剤を使用

 

本コラムのまとめ

良薬ではあるものの、使い方を間違うことで劇薬に化けることもあるエクソソーム。

医療業界においてはこのような物質は多く存在しますが(※ボトックス注射で使用するボツリヌストキシンも、食中毒の原因などにもなるボツリヌス菌から毒素を除外したものですよ^^)医療機関がそれぞれ独自の安全基準を設けて診療にあたることが最も大切なのではないかと考えております。

当院では現在、2種のエクソソーム治療を行っています。ご興味ございましたらお気軽にお問合せ下さい。
>エクソソーム注入はこちら(美肌・若返り)
>エクソソーム点滴はこちら(免疫UP・健康・予防医療)

はじめての糸リフトガイド
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コラム監修者 吉田 由佳 医療法人敬愛会グループ理事長 専門科:形成外科・美容外科・皮膚科・美容皮膚科

関西医大卒、京都大学形成外科学教室入局後、京都大学附属病院、大阪赤十字病院、済生会中津病院、長浜赤十字病院を経て現在、医療法人敬愛会理事長に。アジア各国、韓国、シンガポールなどでスレッド治療の第一人者としてのべ数百人の美容ドクターの教育に尽力。国内では日本美容外科学会のシンポジストとしてスレッドの臨床発表も行う。スレッドや注入術、マシンなどによる施術を組み合わせ、より解剖的に有益で痛みの少ない低侵襲なエイジングケアの研究・開発を進め続けている。(日本形成外科学会会員・日本美容外科学会会員)

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